ONLY YOU~愛さずにはいられない~Episode.0~
《10》初体験

ー香波side-

私たちは康秋君の部屋から追い出され、皆の居る部屋に戻った。

「あのままだと康秋は本当に出ていくぞ。信兄」

「放っておけばいいだろ?」

「放っておけって・・・信兄だったあんな康秋のコトを可愛がっていたじゃないか?」

「・・・浅見から借金の話を訊くまではな・・・」

「母さんと安田が行ってもダメだったか・・・」

相良先生は項垂れた。

「私…もう一回行ってきます!!」

私はもう一度、康秋君の元に行った。

何度もインターホンの鳴らしても無視。

途方に暮れた私は踵を返した瞬間、ドアの鍵が開いた。

「なんだ…また香波か・・・」

「康秋君…本当に出ていくの?」

「・・・香波はウチの家族事情詳しくないかもしれないけど・・・早い話、俺は父親の連れ子だから・・・誰とも血が繋がっていないんだ・・・」

「知ってるよ。皆…訊いた」

「そう・・・なら、いい」

康秋君は旅行用のトランクとスポーツバックを持って出て来た。



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