元、新撰組です
しかし、ご夫婦は首を縦には振らなかった。
「貴女を一人にするわけにはいきません」
ご主人は、まじめな表情で言った。その隣で、奥さんも頷く。
「陰陽師といっても、貴女は女の子でしかもまだ高校生。中まで入ったらお邪魔になってしまうのでここに居ますが……本当は中にまでついていきたいんですよ??」
あなたが、心配なんですと奥さんは、眉をたらした。
この二人、本当にいい人たちだな……。音波は笑顔を浮かべた。
『危険だと思ったら、すぐに逃げてください。いいですね??絶対に逃げてください』
夫婦はお互いの顔を見て、それから優しい笑みを浮かべ頷いた。