元、新撰組です




しかし、ご夫婦は首を縦には振らなかった。




「貴女を一人にするわけにはいきません」




ご主人は、まじめな表情で言った。その隣で、奥さんも頷く。




「陰陽師といっても、貴女は女の子でしかもまだ高校生。中まで入ったらお邪魔になってしまうのでここに居ますが……本当は中にまでついていきたいんですよ??」




あなたが、心配なんですと奥さんは、眉をたらした。




この二人、本当にいい人たちだな……。音波は笑顔を浮かべた。




『危険だと思ったら、すぐに逃げてください。いいですね??絶対に逃げてください』




夫婦はお互いの顔を見て、それから優しい笑みを浮かべ頷いた。





< 12 / 41 >

この作品をシェア

pagetop