失 楽 園




乱暴にドアを開け、店内を見回す。
窓際の席に姉さんを見つけ、
僕はすぐにそこに駆け寄った。


「姉さん!!」

「え……っ?」


息も荒いまま、姉さんの肩に手を置く。
姉さんは驚いた様子で僕を振り返った。


「恭、ちゃん……!?」

「…弟さん?」


姉さんの前に座る男が、
柔らかな笑みを浮かべて言った。

その優しい笑顔に、吐き気がする。

姉さんも優しい笑顔をそいつに向け、
僕のことを紹介した。


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