臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
ハーフのような女の子
 図書館に着いた康平と健太は、四人で勉強出来そうな席を探していた。

 すると、背の高い女の子が近付いてきた。


「康平こっちだよ。いい場所とってるから安心して」

 山口亜樹である。今日はこの前と違って学校の制服でいた。

 二人が亜樹についていくと、奥の方に四人の座れる席があった。

 長方形の机に四つの椅子があり、康平と健太が並んで座り、康平の正面に亜樹が座った。


「初めまして……かな?」

 人見知りはせず誰とでも気軽に話せる健太なのだが、この時は慎重に話し掛ける。


「……確か、うちの教室に二人で来てたよね」

 亜樹も健太と同様に、少し警戒しているようである。

「じゃあやっぱり、あの時康平の前の席にいた人だ」

「そうそう、あたしは山口亜樹。これから呼ぶ時は亜樹でいいよ」

「俺は片桐健太。俺の事も健太でいいからさ」

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