トキトメ
「椛島、せっかくだからそうしてもらえ。お前んとこ、駅から離れているだろ?
いくらお前でも、暗い夜道の1人歩きは危ないからな」

「課長、一言余計でーす」

「あーすまんすまん」

 全然反省してない!

 私、これでもまだ十分若いと思っていますから。

「・・・それじゃ、お言葉に甘えて」

 私は、外に出ようとずらしたお尻を元に戻すと、膝の上にバッグを置いた。

「じゃあな」

「課長、お気をつけて」

「ああ」

 課長が駅構内に姿を消すのを見送って、彼は再び車を走らせた。

 私の家はここから3駅離れた所にあって、改札を出て徒歩15分。

 静かな住宅街を歩くので、夜遅くはシンとしていて怖い。

 残業で23時を過ぎた時は、もったいないけどタクシーを使ったりもする。

「えっと、次の信号を右折してもらえる?」
< 15 / 127 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop