トキトメ
 やっぱりまずはお刺身よね?

 美味しそうな鯛のお刺身を口の中に入れたと同時に、向かいの席に座っていた
課長が話しかけてきた。

「椛島、前田の働きはどうだ?」

 その問いに、口の中に入れたばかりのお刺身を慌てて飲み込む。

「しっかりやってくれていますよ。物覚えが良くて、手際もいいと思います。3ヶ
月でこれだけ出来れば言う事ありません」

「そうか。前田、椛島がこんなに褒めるのは珍しいんだぞ。これからも倉庫1課の
柱になって頑張ってくれ」

「あまり褒めないで下さい。俺なんて、まだまだリーダーの足元にも及びませんよ」

「それはそうよ。入社して13年の私と一緒にされちゃ困るわ」

「すみません!!」

 べこりと頭を下げる前田くん。

 マジに取ったの?

「ごめんごめん。冗談よ」

 慌てて言葉を探す。

「私が入社したての頃は、もっと世間知らずの何も出来ない女だったわ。ねえ、課
長?」

 課長、フォローして~~~

「そうだったかなぁ? 昔過ぎて、よく覚えとらん」

「課長~~~」
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