トキトメ
 だけど20代の頃なんて、周りはまだ年上の男性が多かったから、なかなか気軽
に話す事も出来なくて、そのうち「真面目だね」とか「おとなしいね」とかで終わ
っちゃって、恋人として付き合った人はいなかったのよね。

 それでも、若さで何とかなってたけど、30歳を過ぎてからはさっぱり。

 はぁ・・・虚しくなって来たじゃない。

 課長、どうしてくれるのよ。

「リーダー、付き合っている人いないんですか?」

「何? 前田くんまで私を馬鹿にするの?」

「ち、ちがいますよ。美人で仕事も出来る女性を1人にするなんて、世の中には見
る目の無い男が多いんだなーって思って」

「前田くん、あなた酔ってるでしょ?」

「酔ってません。俺、ジュースしか飲んでないし」

「ジュース? あーダメダメ。ほら、ビール飲んで」

「いえ、今日は車で来ていますから」

「ちょっとくらいいいじゃない」

「おい椛島、前田は真面目なんだ。無理強いしちゃいかん」

「あら、課長はいつも飲酒運転じゃないですか」

「人聞きの悪い事を言うな。それは昔の俺で、今はちゃんと交通規則を守っている
ぞ。だから今日はちゃんと電車で来た」」
< 7 / 127 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop