トキトメ
 2人が戻ったのは、それから2時間程経ってからだった。

「お帰り。前田くんお昼食べたの?」

「これからです。俺、休憩室で食べて来ますね」

 いつもは自分の机で食べるのだけど、今日は既に午後の仕事が始まっている。

 彼は引き出しから私が作ったお弁当の包みを出すと、事務所から出て行った。

 良くん、最近お昼がマチマチで可哀想。

 塚田さんと一緒に出かける事も多いので、2人で食べたい時もあるはず。

 お弁当持たせない方がいいのかな。
 
 それから20分ほどして戻って来た良くんは、デスクワークに没頭していた。


「リーダー、今日は何時頃になりそうですか?」

 5時半が近づいた頃、彼は私のデスクに寄って来た。

「今日は6時半には出れると思う」

「それじゃ俺、先に帰ります」

「うん、わかった。えっと、崎田さんも、そろそろ上がっていいわよ」

「はい。それじゃ、お疲れ様でした」

「崎田さん、俺も帰るから、下まで一緒に行こう」

 良くんは彼女を誘うと一緒に事務所を出た。
 
 そんな2人の後姿を目で追い、廊下に消えてもしばらくそこから目を離せずにいた。
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