「異世界ファンタジーで15+1のお題」五
「それで、その後はどうなったの?
奴らはまだ村に来てるの?」

アズロが僕の気になっていたことを質問してくれた。



「それはまだわからない。
俺は、ここでシンファに事情を話すためにずっと待ってたんだから、村の様子はわからない。
でも、シンファが行きそうな場所なんて奴らにわかるはずもないし、おまえやおばさんはあの村で生まれ育ったことになってるから、あいつらとしても探しようがないと思うぜ。
とにかく、ここにいたら絶対にみつかることはない。
俺、明日にでもここを発って村に帰るよ。
そして、状況を見ておばさんをここへ来させる。」

「本当に大丈夫なの?
村の人達は、僕のことで被害は出てない?」

「それは大丈夫だと思う。
俺達がおまえを逃がしたなんて思われてないだろうからな。
それにおまえだって、軍人でもないんだし脱走したわけでもないんだ。
それよりも、シンファ……ここの暮らしはとても不便だぞ。
ここの土地じゃ作物もわずかしか育たないし、水だってこの先の泉にいかなきゃならないんだ。
俺もしばらくここで暮らして、不便さが身に染みたよ。」

「そんなこと…なんでもないよ。
……ここなら、焼き殺されるような心配はないからね。」

僕の冗談に笑ったのはアズロだけだった。



「良かった!
とにかくこれで誤解も解けたし、シンファも安心して暮らせそうだもの。」

「そういえば…君は一体どういう人なんだい?
シンファとは旅の途中で知り合ったって言ってたけど……」

「そのことは、食事の後にでも話すよ。
ライアン…僕、お腹がぺこぺこなんだ。」

アズロの言葉にライアンは苦笑し、ガーランドも同じように微笑みながら、二人は台所へ向かった。
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