「異世界ファンタジーで15+1のお題」五
「だ、だって……皆、教会を建てたいって……
教会を建て直す事は、村の皆の悲願だったじゃないか。
教会が新しくなって神父様が来て下されば、皆、いつだって祈りに行ける……」
「そりゃあ、皆、教会は欲しがってるさ。
だけど、おまえを売って建てた教会なんて、何の意味がある!?
きっと、そんな所には誰一人として行きゃしないぜ。」
「ライアン……」
僕はライアンの両手を握り締めた。
ライアンの大きくてごつごつした手の温もりを感じると、胸がいっぱいになって、自然に涙が込み上げて来た。
皆、これほど僕のことを考えてくれていたなんて…
そんなこととは知らず、皆を恨み、心を黒い憎しみだらけにして……
(僕は、なんて馬鹿だったんだ…!)
「シンファ…あの時のことは本当にすまなかった…
でも、このことをおまえが知ったら、おまえはきっと村のために軍隊に行くと言っただろう?
だから言えなかった。
軍隊の奴らにも知られるわけにはいかないし、俺達のことを憎んで村を離れてほしかったんだ。
実は、あの日の晩、軍の奴らが村に来る事になってたんた。
だから、何がなんでもあの時、おまえには出て行ってもらわなきゃならなかった……
俺達は、軍の奴らにおまえが逃げたことを話し、そのせいで教会が建ててもらえないことを、皆、怒っているふりをした。
おばさんは村の皆に頭を下げ、俺達はそんなおばさんに罵声を浴びせて見せた。
そして、奴らの前で、俺がおまえを探しに行くと言ってみせたんだ。
そして、みつかったら必ず教会を建ててくれって、約束させた。」
「すごい芝居だね。」
アスロが、感心したように首を振る。
「皆、シンファを守るために必死だったんだ。
軍隊の奴らには少しの疑惑も抱かせてはいけない。
だから……」
「皆、そこまで僕のことを……なのに、僕はそんなこと少しも気付かずに……」
「……俺達、皆、役者になろうかな。」
(こんな時に冗談なんて……ライアン、場の雰囲気に合わないよ…)
そう思いながらも、僕の心は少し和んだ。
教会を建て直す事は、村の皆の悲願だったじゃないか。
教会が新しくなって神父様が来て下されば、皆、いつだって祈りに行ける……」
「そりゃあ、皆、教会は欲しがってるさ。
だけど、おまえを売って建てた教会なんて、何の意味がある!?
きっと、そんな所には誰一人として行きゃしないぜ。」
「ライアン……」
僕はライアンの両手を握り締めた。
ライアンの大きくてごつごつした手の温もりを感じると、胸がいっぱいになって、自然に涙が込み上げて来た。
皆、これほど僕のことを考えてくれていたなんて…
そんなこととは知らず、皆を恨み、心を黒い憎しみだらけにして……
(僕は、なんて馬鹿だったんだ…!)
「シンファ…あの時のことは本当にすまなかった…
でも、このことをおまえが知ったら、おまえはきっと村のために軍隊に行くと言っただろう?
だから言えなかった。
軍隊の奴らにも知られるわけにはいかないし、俺達のことを憎んで村を離れてほしかったんだ。
実は、あの日の晩、軍の奴らが村に来る事になってたんた。
だから、何がなんでもあの時、おまえには出て行ってもらわなきゃならなかった……
俺達は、軍の奴らにおまえが逃げたことを話し、そのせいで教会が建ててもらえないことを、皆、怒っているふりをした。
おばさんは村の皆に頭を下げ、俺達はそんなおばさんに罵声を浴びせて見せた。
そして、奴らの前で、俺がおまえを探しに行くと言ってみせたんだ。
そして、みつかったら必ず教会を建ててくれって、約束させた。」
「すごい芝居だね。」
アスロが、感心したように首を振る。
「皆、シンファを守るために必死だったんだ。
軍隊の奴らには少しの疑惑も抱かせてはいけない。
だから……」
「皆、そこまで僕のことを……なのに、僕はそんなこと少しも気付かずに……」
「……俺達、皆、役者になろうかな。」
(こんな時に冗談なんて……ライアン、場の雰囲気に合わないよ…)
そう思いながらも、僕の心は少し和んだ。