「異世界ファンタジーで15+1のお題」五
「だって、あんな所に縫い付けてあるなんて…きっと誰だってすぐには気付かないよ。」

「あんまりすぐみつかると、おまえが戻って来るかもしれないだろ?
だから、少し進んだあたりでみつけられると良いと思ってのことだ。
数日なら自分の金でなんとかなるだろ?」

「僕、お金なんて持って出てないよ。
だからその日から、早速困ったんだ。」

「なんてこった…
追い出されるのに、金くらい持って出ろよ。」

「そんなこと……あの時は考えもしなかったよ。」

「全くおまえらしいな……
……でも、本当に良かった。
おまえが無事でいてくれて……
もしも、おまえの身になにかあったらどうしようって…俺、本当は毎日がとても不安で……」

ライアンはそう言うと、僕に背中を向けた。



そうだった。
いつも元気で親分肌のライアンは、とても神経の細やかな所があって……
大雑把に見えても本当は繊細な人なんだ。
だから、僕がここにいなかったことを知った時にはきっととても心を悩ませたと思う。
しかもそれからも僕はなかなか来なかった。
ライアンは、死ぬほど心配してくれたに違いない。



「ごめんね…心配かけて……」

泣いてしまいそうだった。
僕は、これほどライアンに想われていたんだと思うと…
感謝と罪悪感で胸がはちきれそうだった。







「おはよう、シンファ。
昨夜は良く眠れたみたいだな。」

「あ、うん…おはよう。」



僕が目を覚ました時にはもうライアンは傍にはいなくて、部屋を出ると、居間にはガーランドさんとアズロもいた。



「早く顔洗ってこい。
外に桶がある。
朝食も出来てるぞ。」

「うん。」



外は明るい陽の光に溢れていた。
そのせいで、なお一層、村の風景が哀しく見えた。



(昨夜の夢みたいだ…)



昨夜、僕はライアンと二人で歩く子供時代の夢を見た。
その手はしっかりと繋がれて、目が覚めてもライアンの指の感触がしっかりと残っていた。



(もうあんな風に手を繋げることはないのに……)



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