プリキス!!
「初伊ちゃん、僕ちょっと妬けちゃうな。」
超笑顔で私を見つめる東麻君。
だけど目が笑ってない。
なにか本能的な物が逃げろと頭の中で警報を鳴らしている。
起き上がって逃げようと試みるけれど……
「あは、逃げられると思ってる?超無謀。お馬鹿さん。」
「ひいっ……!」
頭を手で固定されて動けない。
「てゆーか……東麻君は何が気に入らなかったの?」
「分からないの?……ふふ、馬鹿な上に鈍感とは救いようがないね!」
「兄さんそれ笑顔で言う内容じゃないからね。」
というか本当に分からない。
話的には、私が蛍君と仲良くなったからブラックになった……って事だよね。
「……!」
ピコーンッと閃いた。
「……初伊ちゃんってさぁ、顔に出やすいってよく言われない?」
「あは……はっはっはっ……!先輩超ドヤ顔してる!わかりやすっ!」
苦笑の東麻君と大爆笑の蛍君。
なんか凄い馬鹿にされてるよね。
「で、何を閃いたの?言ってごらん。」
最早完全に子供扱いされるのは置いといて、私は閃いた事を話す。
「東麻君は、蛍君が盗られたって思ったんでしょう……!」
「……はぁ……そう来ると思ってた……。」
「大丈夫だよ。私、蛍君と仲良くないから!」
「先輩、それ俺のメンタル傷つけに来てます。」
東麻君は私にデコピンをした。