幼なじみは恋ドロボー!!
町屋くんに捕まれたままあたしは固まってしまった。

町屋くんがあたしのことを気になってた?

今そう聞こえた。

いや、でも…冗談だよね?

あたしは恐る恐る町屋くんを見る。

真剣な瞳とぶつかってあたしは視線を逸らす。

神様~!!!!

恋愛経験0、恋愛偏差値0のあたしにこの試練は何ですか~????

捕まれたままの手を離すことも、言葉を返すこともできなくてただただ固まるあたし。


『陽菜!ここにいたのか?!』

背後から聞き覚えのある声がしてあたしは町屋くんの手を慌てて振りほどいて振り向く。

そこには校門から走ってやって来る陽翔の姿。

『陽菜、花火師との打ち合わせって?…』

そこまで言いかけた陽翔の肩をあたしは叩いた。

『陽翔のバカ!町屋くんが教えてくれなかったらすっぽかすとこだったんだから!』

『悪い!町屋も悪かったな。』

陽翔は顔の前で手を合わせて謝る。

『許さない!』

あたしの一言に陽翔は顔をひきつらせる。

『マジで悪かったって!許せよ…人には失敗とか間違いってあるだろ?それに…』

『意味分かんない‼言い訳するな』

だいたい陽翔が忘れてなきゃ町屋くんと行くこともなかった。

全部、陽翔が悪い‼

あたしと陽翔は暫くそんなやり取りを繰り返す。

< 11 / 16 >

この作品をシェア

pagetop