最初で最後のラブレター
「おはようございます!」
朝の清々しい空気に
なんとも清々しい挨拶だろうか。
「お、おはよう」
校門では元気に挨拶する
いい心がけかと思いきや
「迷惑かと思ったんですけど
友達になりたいとか言って、でも話しかけるタイミングもわからないし…
だから気づいたら朝からここで待っちゃいました」
この子は不思議だ。
普通ならこんなイケメンに
こんなストレートにこんなことを言われたら
きっと嬉しすぎて舞い上がっちゃうんじゃないだろーか。
彼は下駄箱まで行かせてくださいと言って
私の横に並ぶ。
ふと思った。
「ねぇ名前!」
「へ?」
私が急に声を出すから
彼は間抜けな声を出す
「ふっふふ
間抜けね」
「そんな笑わないでくださいよ」
あーっといった感じで
頭をかいている
「名前だよ!あなた私の名前知ってたけど
私はあなたの名前しらないから
教えて?」
────え?
あ、しまった。
彼の顔見る限り
これは聞いちゃいけなかったかもしれないと
思った。