甘い女と月の男
波乱万丈の学校生活

まさか

まさかね。

昨日の事がこんなに大問題に発展するなんて。

誰も知らなかったよ。



「ちょっと凛華!すごいことになってるけど!」

「はぁ、何が?」

「凛華。あなた何やったの?」

??

全く理解不能。

「ほら、見てあれ」

ん?

そこにあったのは……。

掲示板に貼られたあたしの写真。

これは入学式の言葉言った時のやつかな?

その写真の上に……。

「ブス」

「アホ」

「死ね」

「消えろ」

などの文字が並んでいた。

はあ……。

予想するにあたしの事が嫌いな人だよね。

まあこんな身分だし、この学校だし。

嫌われる事は逃れられないとしても。

ここまでやられたのは初めてかな。

「凛華!ど、どうするの??」

「許せないわ、誰よ、やったのは」

梨央奈はおろおろ、ビアンカは怒りの表情を浮かべている。

2人とも私の為に……。

あたし、こんな友達持ててホント幸せだなあ。

さあて、掲示板の前にたかっている人たちを散らせようかな。

「あ、あの。前、通りたいんですけど」

少しきつめの声で言った。

すると、掲示板の前にいた生徒はサアーーッと道をあけた。

ふ。

良い気味。

「2人とも、いこう」

「あ、うん」

ここまでやられたのは初めてだったけど、あたしたちはこんなことで落ち込んだりしないから。

だけど。

悲劇はこんなもので終わるはずがなかった。


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