暴走族に恋した私
「保健室行くぞ。」
仁はそれだけ言って、私をいきなり抱えた。
いきなりの事だったので、なかなか抵抗ができない。
それに仁の体温が伝わるせいか、ドキドキが止まらないせいで抵抗なんて考えきれない。
私が好きってことを知りながら、してるの?
こんな思わせぶりな行動。
「録音聞いた?」
私は居てもたってもいれなくて、思わず口からこんな言葉が漏れた。
「聞いてない。」
「・・・そう。」
安心したような、悲しいような。
私からの留守電だったから、聞いてくれなかったの?
そうだよね、あんなことしたんだから・・・仕方がないよね。
チラリと仁を見ても、仁はこっちを見ようとしなかった。
そうだよ、仕方がない。