暴走族に恋した私


「はい、これ。」






バスタオルを投げられて、見事キャッチをした。



これで、拭けってことなのかな?



うん、そういう事だよね・・・っま、拭いちゃえ。






「なんか久しぶりだな、こんなの。」






仁が私に、近づきながら言う。



私は頭を拭きながら、小さくうなずいた。






「お前が居なくなって、みんな暗いんだよ。」




「えっ?」




「だから、戻ってこいよ。」






力強い仁の言葉、私は思わず涙が出そうになった。



戻ってこい・・・って、嬉しい。



でも戻りたいけど、私が居たら仁に迷惑をかけるって。



今この時間だって、きっと迷惑なのに・・・どうすればいいんだろう。



ここで、うんって言えばきっと仁は受け止めてくれる。



彼の優しさにつけ込むのもいいかもしれない。

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