暴走族に恋した私
保健室には、都合よく誰もいなかった。
思ったけど、先生っていつもいないような・・・・。
私は冷凍庫の氷を袋に入れて、それを巴に渡した。
巴はそれを目に押すと、ぽつりと何かを話しはじめる。
「私、由奈にいってない秘密があるんだ。」
「・・・うん。」
「いずれは、話したいと思ってる。」
「うん。」
巴が内緒にしている秘密は気になる、けど話したくないなら、まだ聞いたりはしない。
話したいって思った時に、話してもらいたい。
巴が泣くくらいに、真剣に悩んでいる悩みなんだから。
それを無理に聞くのは、よくないもんね。
「いつか、聞かせてね。ゆっくりでいいよ。」
「ありがとう、由奈。」
私は笑みを浮かべて、大きくうなずく。
そして、ゆっくりと巴の座る横に腰を下ろした。