暴走族に恋した私
「それよりも、本当に覚悟あるの?」
颯斗は先ほどと雰囲気がガラリと変わる。
口は笑っているけれども、目は笑っていなくて、言葉も少し強めだった。
「覚悟?」
「正直、この世界はお姫様向いてないよ。」
やめたほうがいい。
遠回しに牽制された気がした。
「覚悟が足りない。」
胸がギュッと締め付けられる。
痛いくらい悔しくて、きっとその通りで、何も言えないくらい悲しくなる。
「百鬼の幹部が、最近やられたんだよね。そいつ、意識不明の重体なんだよね。」
この場に漂う雰囲気が暗くなるのがわかる。
皆の表情は少しだけ切なそうで、でも強さを装っている。