暴走族に恋した私




地下室から出ると、そこは見たこともない風景が広がっていた。






少し暗くて、家とかも少ない街。



この地下室が薄汚いマンションの中にあったなんて、想像もつかなかった。






「ほら、バイクに乗れよ。」







仁はヘルメットを私に渡しながら、バイクにまたがった。





私もヘルメットを受け取ると、言われるままに後部席に座った。



私が座ったことを確認すると、バイクを進め始めた。






前から来る風が、肩に触れて肌寒い。





けれど、仁の背中に隠れているから、あんまり風は当たらない。



後ろでも寒いから、仁はもっと寒いんだろうな。




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