暴走族に恋した私


屋上に行くと、そこにはいつものメンバーがいた。





そして、仁の横には白石ちゃん。




白石ちゃんは分かりやすいくらいに、仁との距離が近い。




それを見て、また心がモヤッとなる。




その時、不意に白石ちゃんに目があった。







「あっ、由奈さんこんにちは。」




「何か用があるの?」






口の端をあげて、私に話しかけた。







「用はないけど、皆と話そうと思って・・・。」






私がそう言うと、あっ・・・ないの。と聞こえるように呟く。




まるで、用がないなら来るなって言われてるよう。




勝手な解釈にしか過ぎないけど、まるでそう聞こえる。







「邪魔だったら、帰る。」






私はみんなに背を向けた。



戻ってきた女の子に、一日で居場所も取られた感じがする。



もともと、私なんていない方が良かったのかもしれない。
< 98 / 295 >

この作品をシェア

pagetop