神様の憂鬱
男は、時間が戻るとたいそう喜んだ。

自分の記憶の中に残る失敗を生かそうと、誠心誠意女に尽くしているように見えた。

自分の行いを改めようとしているように。

けれど、やはり実際はこんなもの。

男が少しずつ変わっていくのがわかった。

ボクは――

なんていったってアレだからね。

ボクに隠し事なんて出来るはずはない。

ともかく、男は変わった。

最初の頃に見せていた優しさや気遣いは少しずつ色あせて、

秋の終わりのように散ってしまった。

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