神様の憂鬱
「信じてよ、ボクは正真正銘の神様だ」

両手を広げて、にっこりと笑顔を浮かべた。

どうだい?

ありがたい神様の笑顔は。

彼女は目を細めてボクを観察しているようだ。

その瞳には、いまだ疑いの色が混じっている。

「で、その神様がわたしに何の用なんですか?」

また一歩、後ろに下がった。

ボクはその分足を前に進め、

「ちょっとお願いがあってね」

と告げた。

「神様が、わたしにお願い?」

「そう、君に」

ボクはありのままを告げているのだけど、どうやらぜんぜん信じてくれてないらしい。

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