神様の憂鬱
天歌は、ピン、ピンと遊ぶように弦を弾く。

その度に、間延びした澄んだ音が響いている。

「明日も、来るかな?」

「さぁ、どうでしょうか」

「来るよね?」

「さぁ」

「来るでしょ?」

「だといいですね」

「来るよ、きっと」

ボクは呟いて目を閉じた。

微かに聴こえる、彼女の忍び笑いを耳にしながら。

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