神様の憂鬱

天歌

だから嫌なんだよね、人間っていうのはさ。

ぶつぶつと呟きながら、宙を駆ける。

頭の中には、去り際に先程の男が叫んだ罵詈雑言(ばりぞうごん)がまだ張り付いている。

何でも自分の思い通りになるなんて、あるわけはないというのにさ。

しかも、一度だけでもやり直しをさせてやった恩まで忘れているから始末が悪い。

あのままでは、一生死ぬまであの男は同じことばかりを繰り返していくのだろう。

あー、やだやだ。

あんな奴らを見守っていかなければならないなんて、もう飽き飽きだよ、ほんと。

緑が生い茂る場所を見つけ、一息つこうと動きを止めた。

中でも一番高い木の上に腰掛け、眼下を眺めていた。

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