お嬢様が男子校⁉︎

東雲side


マジおもしれぇヤツが入ってきた

そいつは、大きなアイスブルーの瞳で弱々しくてどこか儚げなのに強い芯を持っていて、抱きしめたら折れちまうんじゃないかってくれぇ細い手足、小さな体俗に言う可愛いに分類される顔立ちだ

「席は…東雲の隣だ東雲、この後校内案内してやれ」

「うぃーっす」

「よかった…知ってる人が隣で…あの、東雲さん」

さんって…おりゃ、先輩かい

「俺は、東雲 優雨だ優雨でいい」

「じゃあ、優雨さん一年間よろしくお願いします」

……変わらねーよ…お嬢様ってのはみんなこうなのか?

「呼び捨て」

「へ?」

「呼び捨てじゃないと一生口聞かねぇよ?」

意地悪をしてみた

「そんな!本当ですか?優雨さん」

俺はそう聞いてきた桜咲を無視した

「えー…えと、んと…東雲!」

ほんっとド天然だなあんた

「んーギリギリ合格にしといてあげる」

「よし、合格です、ありがとうございます」

「敬語もとってよ」

「…申し訳ありませんがそれは無理です」

なぜか桜咲は敬語をとることを頑なに否定する

「どうして?」

「お婆様がそうおっしゃったからです」

お婆様…こいつの言葉から出るのはほとんどお婆様、お婆様が決めたから、お婆様がおっしゃったから

なんなんだ?そのお婆様ってのは絶対的存在なのか?


「その、ばあさんってのがあんたに死ねって言ったら死ぬの?」

俺がそう言うと桜咲は一瞬考えたそぶりを見せ

「お婆様はそんな事はおっしゃいませんよ」

とニコッと微笑んだ

不覚にも鼓動が早くなった

「ふーん」

よくわかんねぇヤツだなこいつ


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