元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー




『あっ!桜ちゃん、お友達記念に…』



何かを思いついたようにめぐるちゃんは花畑の方へと走っていった。



『…?』


なんだろう、と思いつつも待つこと数分。


戻ってきためぐるちゃんは後ろに何かを隠し持っていた。



『はい!お友達記念だよ、四葉のクローバー!』



笑顔で”四葉のクローバー”を渡して来るめぐるちゃん。


だけどそれは…


『みつ、ば?』


そう、めぐるちゃんがいうような”四葉のクローバー”ではなかった。



『ううん?四葉だよ?』



『え、だってこれ…、』



”葉っぱが3枚しかないよ”。そう言うと、めぐるちゃんは首を横にふる。



『四葉のクローバーの意味って知ってる?』


『意味?』


『うん』


知らない、と首を傾げると、めぐるちゃんはまた微笑んだ。


『四葉のクローバーの意味はね、富、名声、健康、それから…』




そこで一旦言葉を止めて、めぐるちゃんは今までの中で一番の笑顔で言った。



『愛情』


私に指を向けて。





『めぐると桜ちゃんは、お友達、だよ。四葉のクローバーは、めぐると桜ちゃんの友情の証なの!』




『…っ!』



また、涙が溢れそうになった。



彼女の言う一言が嬉しくて、あったかい。


氷のようなわたしの心を、溶かしてくんだ。


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