元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
「…………神楽、麗華…?」
急に声をかけられてビクリと肩が揺れる。
あたしの名前をフルネームで呼んだのは…
「……………朱雀 慧、ね…」
あたしが大嫌いな、来龍の一人。
「何か用?」
桜と話は終わったのかしら?
ボーっとしてて最後の方は聞けてないのよね…。
イライラして、眉間に皺がよる。
「用ってわけじゃないけど…」
何、コイツ。
言いたいことがあるならハッキリ言えばいいのに。
こういう男、一番嫌い。
…ま、こんな性格じゃなくても、大嫌いな事にかわりはないけど。
朱雀は少し下を俯くように目線を落としている。
そんなアンタに、あたしからご忠告。
「……あの子を傷つけたら、許さないから。」
「あの、子って…」
困惑気味の朱雀。
分かってないのかしら?
普通、わかるでしょ。馬鹿なのね。