元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
一呼吸してから、口を開く。
「……桜が、裏切り者と言われても何も言わなかったのは、」
そこまで言うと、朱雀の表情が固くなる。
「…来龍を、守る為よ。」
「守る…?」
そう。守る為。
桜は、来龍の為に、何も言わなかった。
それは___
「…人は、噂を信じて広めるでしょう?
例えそれが、”嘘”だとしても、よ。」
噂を耳にしては広めて。
いつの間にか、噂が嘘に変わっていくの。真実は、噂に飲まれる。
人って、そういう生き物だから。
「噂好きなのよ、みんな。」
そう言ってクスッと笑うと、朱雀は眉を顰める。
「噂と桜の事に、なんの関係が…」
「あるのよ。関係。それも、…結構深い、ね。」
あたしが、なんの見境もなくこの話をしたとでも?