一条一家のウラの顔。
なんか今日、やけに眠ぃし…。
サボっちまおうかなー。
俺の邪念に付け入るように、さっきから隣にベッタリな女が「そーぉ?」上目遣いで名前を呼んだ。
「んー」
「ねぇ、1限サボらない?いつもみたいにさ」
「そーねぇ…」
天井を向きながら答えると、「いいじゃーん♡」猫なで声で女は俺の腕を掴んだ。
「ヒューヒュー!荘様のモテっぷりは本日も健在ですなぁ!オレにもそのイケメンオーラ分けてくれよ~」
「あんたが荘に敵うわけないじゃーん!」
そらね。
なんて鼻で笑いながら、表面上は適当に誤魔化して、その場の雰囲気に身を任せる。
他の周りのヤツらも、一緒になって笑い合う。
こんなふうに、俺は大抵いつも、誰かしら囲まれている。
別に俺から呼んだわけでも集めたわけでもねぇけど…。
だけど、この中に俺が本気で信用して、本気で腹割って話せる相手なんか存在しない。