一条一家のウラの顔。
├*Sou's story*
「そーうっ♡」
あ。目、そらされた。
俺は偶然、目の合ったクラスメイトの女子を、遠目に未だ見つめていた。
一応、このクラスになって2ヶ月が過ぎてるし、名前ぐらいは知ってるけど…。
正直、あんまり喋った記憶はねぇな…。
「荘ってばぁ」
「え?あ、なになに?」
そのとき、周りから見慣れた女子の声がして俺は我に返った。
何となく大体いつも近くにいる女子だった。
「次移動だよー?ほら、行こうよぉ~♪」
「マジ?授業、なに?」
「物理ー」
物理か…。あんま得意じゃねぇな…。
ま、俺が胸張って得意科目って言えるのなんて、体育ぐらいしかねぇんだけど。