恋愛応援部

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フワフワと僕の目の前に大量の煙カス。それは僕のかけていたメガネを直撃し、どんどんくもってきた。
その煙は湯気であり、湯気はラーメンからのものだった。
しかし僕は自分で言っちゃいい気はしないがとてもきちょうめんであった。
だから1分たってメガネをふき、また1分たってメガネをふき。
それでは一向にハシが進まない。ラーメンは伸びてくるし、昼飯の時間ももう残りわずか。
僕は急いで伸びきった面を口に含み、その後ハンカチで丁寧に口の周りを吹いた。
ヅヅ……
鈍いイスの鳴る音と共にカランコランというこのラーメン屋独特の音がなり外に出た。
もう春だというのにやはりまだ寒く半ソデとはいかない。
僕の名前は、日崎 叶莉、この春高校2年の生徒会委員であった。
「お、日崎?どした?」
僕の事を呼ぶ聞きなれた声、後ろを向くとその正体はすぐ分かった。
柳だ。柳 風也、僕と柳は同級生で、柳と僕は中学、高校も一緒だった。
中学の時はあまり喋りもせず、まったく知らなかったが、
高校に入って、同じ元学校と言うことで話をする仲になった。
「どうしたも、こうしたも無いけどー」
「んーそっか……そういや勘月先輩が読んでたぜ」
僕は柳の言葉を聞き、慌てて学校の風紀委員室へと急いだ。
足ものろい僕が走ってもそうそう早いもんでもない、運動オンチと言うのはいかにも僕のような人のことだろう。





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