散る頃に咲く花
昔の出来事

青葉は山南との関わりを思い出していた。

そんな時だ。

青葉の部屋に、沖田が現れたのは。

「お入り下さい」

何も言わずに立つ沖田を、青葉は自ら招き入れた。

「沖田様……」

青葉は沖田を心配そうに見つめた。

「僕はね、」

沖田がやっと口を開いた。

「僕は、山南さんを、殺したんだ。たった今」

沖田は震える声で呟く。

「そんなことあらしまへん」

青葉はそれしか言えなかった。

「僕が山南さんを見つけてつれて帰ってきた。僕が山南さんの首を落とした。全部、この手で!」
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