散る頃に咲く花

「だいぶ、いいみたいだよ」

沖田はにこりと笑う。

「良かった」

青葉も微笑んだ。

「源さんがね、死んじゃったんだって」

沖田が悲しそうに言った。

「井上様が、ですか?」

井上様が、亡くなられた。

青葉が風邪をひいたときにはとても心配してくれた。

藤堂が死んだときには皆と目を赤くしながら悲しんでいた。

あの、井上様が。

戦のせいだわ。

「僕が戦いに参加していれば……」
< 314 / 338 >

この作品をシェア

pagetop