散る頃に咲く花

栄助は青葉を放すと、また青葉の頭を撫でた。

『笑ってくれて、ありがとう』

そう言うと、今度こそ本当に、遠ざかって行った。

次会ったときは、涙を流さずに笑顔にならなくては、と青葉は思ったのだった。

この時が、青葉が栄助を見る最後だったとは知らずに________。
< 63 / 338 >

この作品をシェア

pagetop