散る頃に咲く花

「あの、今の会話を?」

「すまぬ。俺も聞いてしまった」

斎藤も謝ってきた。

蛙の処理に終われて、青葉の無事を確認しにくるのが遅くなったらしい。

やっと終わり部屋に来てみると、沖田と青葉の声がし、入るに入れなかったという。

部屋の前でそわそわしている二人のところに斎藤が来て、一緒になって話を聞いてしまったらしい。

「「「本当にすまなかった」」」

三人に一斉に謝られると、青葉もどう対応したらいいのか分からなくなる。

「あの、大丈夫ですから、お顔を上げてください」

顔を上げでも三人はすまなそうな顔をしている。

「あの、蛙はどうなったのですか?」

話を変えようと、青葉は質問した。

「取りあえず袋に詰めて、蔵に置いてある」

「そうですか」

永倉の答えに、青葉は頷く。
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