迷宮ラブトラップ
プロローグ
瑞香は結婚して9年目の、多分どこにでもいる主婦だった。
2人の子供にも恵まれて、そこそこ幸せな生活をしていた。
少々優し過ぎる夫は時に頼りなくも感じたけれど、この先ずっと、夫と生活していく事が自分の人生なんだと思っていた。

そう、あの人に出逢わなければ…。




きっかけは些細な事だった。

万年肩こりの瑞香がママ友の家に出張で来るリハビリに参加させてもらった時、理学療法士として来ていたのが遼也だった。

月に一度のそれはママ友同士のお喋りも兼ねた場所で、遼也の行うリハビリもその辺で行われているマッサージとさほど変わらないように感じていた。

しかし回数が増えるにつれ、本当は直接肌に触れる方が効果が出やすい事、遼也の診療所では裸で(もちろん上にタオルケットをかける)行っている事を知った。

元々診療所でリハビリを受けていた場所の提供者であるママ友はもちろんやったことがあるし、同じように来ている他のママ友の中にも何人かは診療所に行った事があるという。

瑞香は少しだけ、診療所に行ってみたいと思ったが、そこまでひどくはないのでいつか機会があったら、位に思っていた。



遼也も結婚していて3人の子供がいるという。

しかし結婚して20年目ともなると妻への愛情は薄いらしく、口を開くと家に帰れば家事をやらされるとこぼしていた。

家で家事をこなしている為か主婦同士の会話にも話が合うようで、よくアドバイスもしてくれていた。

遼也と瑞香は丁度一回り歳が離れていたが、おじさんと言うよりは兄に近いように感じた。
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