迷宮ラブトラップ
店に行くと、中に入った途端抱き締められた。

「馬鹿瑞香。」

そう言われ、反射的に「ごめんなさい」と謝ってしまった。


「私は逢えるのを楽しみにしていたのに、遼也さんはそうじゃなかったみたいだから…」

「そんな事ないよ、俺だって楽しみだった。
でも予約が入って、その予約が直前に無くなったからって、急に来いとは言えないだろ?」


相談くらいしてくれれば良かったのに…
何か理由を着けて出ることだって出来たのに…


「怒ってメールを無視するのはやめなさい。
いくらこっちが違うよって言ったって、連絡がとれなかったら話にならないだろ?」


落ち着く時間が欲しかった。
追いかけても欲しかった。
けれど、全面的に私が悪いと言うことになってる?


釈然としないまま、初めての遼也とのケンカ(?)は終わった。
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