志ーこころー 【前編】─完─




「おお!龍馬おかえり~…………って誰だその餓鬼!!!」







あたしが坂本さんの後ろからひょっこり顔を覗かせると、無駄に顔の整った男が書物片手にあたしに指さして言った







餓鬼、と言う言葉にあたしは敏感に反応する








坂本「こいつはのぉ……志乃「松野志乃と言います。先程坂本さんと偶然出会って意気投合した……って訳です。ちなみに餓鬼じゃありません。16です。よろしくお願いします」……て訳だ!仲良くしてくれよ!」ニカッ









餓鬼……餓鬼……餓鬼……







腹の底から黒いものがふつふつと静かに昇ってくる









「……???!!!!龍馬!そいつなんか危険!!!」







あらやだ。あたしとしたことがいつの間にか殺気立っていたのね






坂本「まぁ、まぁ。あ!志乃、こいつは中岡慎太郎ゆうがき。なかようしてくれな!」







中岡「はぁ?!なんで俺がこんな小便癖ぇ童(わらし)と仲良くせにゃならんのだ!」







こいつ……





あたしのことを1度ならまだしも2度も餓鬼呼ばわりしたな……?







しかも小便癖ぇだと……?









坂本「はい、握手~」









あたしは坂本さんによって無理やり中岡と握手している








坂本「これでおまんらも仲良しじゃきに!ケッカオーライじゃの!」ニカッ









……坂本さんに満面の笑みでこう言われると、なんかなかぁ~……







調子狂っちゃうよなぁ~……













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