志ーこころー 【前編】─完─
そんなあたしを見て、緒方大先生はにっこりと微笑んだ。
その微笑みは、まるで何かを見透かすように。
その微笑みは、まるで何かを悲しむように。
そして、あたしの中のなにかが嫌な音を立てていることを、お見通しのように。
もしかして、と、一瞬。
心臓が痛いほど鳴る。
まさか。…………まさか?ほんとに??
志乃、あたしは気づいているのよ。
もう一人のあたしが、耳元で囁く。
先生、貴方は、あたしのことを知っているの…………?