志ーこころー 【前編】─完─


総司「…………?」


じっと観察をしていると、妙なことに気づいた。



なんだか様子が変だ



後ろを気にしながら走っている



総司「(追われてる……?)」



事情がどうであれ、こんな真夜中にあんな小さな子供を放っておくわけにはいかない




見たところ12、13がやっと、というような背の子供。



ザッと道が通れないようにして鞘に手をかける……



と、その誰かは自分たちに気づいたらしく、後ずさりする



総司「止まりなさい。」



隊士たちから、帯刀する気配を感じた。



真っ暗でよく見えないが、でてきたのは幼さの残る綺麗な顔だちの少年だった



そのてには竹刀が握られている



「…………私をどうする気だ……?


あんたたちの答え次第で……あたしはあんた


らを潰さなきゃならない……」




彼の目は怒りと恐怖の色が見える




総司「…………怪しいですね……でも……


…………無抵抗の者は殺しはしません」





できるだけ悟すようにゆっくり、でも隙を与えないように語りかけた



「……抵抗したら……??」




彼の目はギラギラと光っていた



総司「容赦なく斬り捨てるのみです」



総司は冷たく言い放った




「あたしは……ここで捕まるわけにはいか


ない!!退け!!」




総司は抜刀した。





総司「……致し方ありません……。


お覚悟を……」


ほんとうは斬りたくない。

でもこれも仕事……

少年めがけて走り出し、刀を振りおろした






………………が、




ーーバシッ






総司・平助・隊士「「「!!!!!!!!!!!」」」








総司の刀を、少年が、しかも竹刀で受け止めた





「悪いね、あたしの勝ちだ」



耳元でそう囁かれ、気づいたら背後に回られていた



平助「!!!!総司っ!!」





平助が駆け寄る





平助「……っ!!間に合わねぇっ!!」





ドスっ





総司「………………っグッ!!………………」





平助「総司ーー!!」


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ーーーー


ーー











先程の思いがあだとなったのか、

どうやら相手に隙を与えてしまったようだ。

首の後ろに鈍い痛みを感じて、


ーーー私の視界がぼやけていった─。


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