弁護士シリーズ作品第1弾! 『身勝手な弁護士』


リビングに入るなり晧覬はテーブルの上のキャッシュカードを見て溜め息を吐いた…



〔やっぱり…〕



…………………。

〔瑠璃。これは一体どう言う事ですか?〕


そのままの意味ですが…。


〔やっぱり帰って来ないつもりだったんですね。〕


はい…
そう思ってました。
今も思ってますが…




晧覬がまた溜め息を吐いた…

〔なぜ家に帰ろうと思ったのか?僕に話しつくれませんか?〕


…………………。

話なんて…
話なんてない…

今は晧覬と話したくない…

顔も見たくない…



〔分かりました。じゃ僕が代わりに瑠璃の心の中の事を話しましょう…。〕


晧覬はそう言って話し出した。


〔原因は電話ですよね。しかも二回とも無言で僕が仕事に出掛けと言うと電話を切ったんですよね?〕

私が頷くと…

〔僕の彼女じゃ無いかと瑠璃は思ったんですよね。〕

…………………。
返事をしなかった…


〔婚約する意味も無いって思ったから実家に帰ろうと思ってキャッシュカードをテーブルに置いたんですね〕



もう返事も出来なかった…。




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