中距離恋愛
「……大地。
夏帆につっかかるなよ。お前たちが付き合ってたの知ってて、それでも夏帆を好きになって、俺たちは付き合っているんだから」
早瀬さんに何も言えない私を庇うように、剛が私の肩を抱き寄せながら言った。

思わず剛を見上げると、私に笑顔を向けてくれて、肩に置いていた手を上げて、私の頭をポンポンとした。
ただそれだけのことで、彼に愛されていることが分かり、温かい気持ちになって、私も剛に笑顔を返した。

「あー、はいはい。
まだ私と早瀬先輩がいるんだから、イチャイチャしないでください。
その代わりに…、篠田さん。今日は夏帆を連れて行っていいので。
1ヶ月会えなくて寂しかったと思うので、たくさん甘えさせてあげてくださいね」
左紀が剛に向かってそう言う。

「ありがとう、左紀ちゃん。
お言葉通り、今夜は夏帆をお借りします。
……ちゃんと、しっかり甘えてもらう予定なのでご心配なく」
剛は左紀にそう返す。

…なんなんだ!
そんな会話をされたら恥ずかしいじゃない!

私は熱くなる顔を隠すように俯いた。

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