中距離恋愛
それからすぐ、席を立った。
剛が会計をしてくれるあいだ、左紀と早瀬さんと、店の外で待っていた。

「夏帆、ちょっといいか?」
早瀬さんに呼ばれて、彼のそばに行く。

「…良かったよ、幸せそうで。剛に大事にされてて」
「……うん」
「それとあいつ、今、俺に嫉妬してるだろうから大変だぞ、今夜…」
「………えっ?」
「…愛されすぎて、寝かせてもらえないかも知れないぞ」
「!?……そんなこと」
あー、もう!
なんでそんなこと言うのかな!
また顔が赤くなってくるのが分かる。
恥ずかしい…

「お待たせ!……って大地!
夏帆となに話してる?」

会計を終わした剛がやって来て、私を抱き寄せながら早瀬さんに言う。

「んー。お前がヤキモチ焼くようなこと。
あんなことやこんなこと…、夏帆に教えたの俺だって確認」
剛を挑発するように答える早瀬さん。
いやいや。
そんなこと話してないから!

「ちょっ、剛、ちがっ」
「夏帆、行くぞ!」

¨違う¨と最後まで言わせてもらえず、剛に手を引かれ左紀と早瀬さんから離れる。
< 116 / 317 >

この作品をシェア

pagetop