中距離恋愛
「とりあえず乾杯するか?」
大地の言葉に、
「そうですね」
と植田さんが答えて、俺と夏帆も頷いてグラスを手にした。

「じゃあ、かんぱーい!」
「「かんぱーい!」」
4つのグラスがカチンと音をたてた。

俺は、グイッと半分近く一気に飲んだ。
大地と植田さんも、同じようにクイッと飲んだ。夏帆はもみんなに合わせるようにグラスに口をつけた。
そんな彼女に、
「夏帆。アルコール強くないんだから、俺たちに合わせて飲むなよ」
と、注意を促す。
夏帆は「うん、分かってる」と返してくる。

そんなやり取りを見て、
「2人、ホントに付き合ってんだな」
と、大地が呟く。
「あぁ、夏帆と篠田さん。仲良いですよ」
植田さんが答える。

「もう半年くらいたつんだっけ?」
「…そうだな。ちょうど半年だな」
「一番いい時に、篠田さん、転勤だもんね。しかも、ちょっと遠くに…」
「うん。…でも仕事だから仕方ないよ…」
「あっ、そっ。夏帆だから、そう言うと思ったけど」

それから大地と植田さんは、仕事の話から高校時代の話をしている。
夏帆も分かるらしく、笑いながら聞いている。
< 142 / 317 >

この作品をシェア

pagetop