中距離恋愛
剛と夏帆と行ってから、俺は植田さん…もとい早紀を飲みに誘っていた。
最初はビックリしていた彼女だったが、ちゃんと応じてくれた。

彼女を連れて言ったのは同級生の木村飛鳥が働いているバー。
早紀にカシスオレンジ、自分にビール、そのほかに適当につまみをオーダーした。

「素敵なお店ですね」
早紀がそう言ってくれる。
「あぁ。最近の俺のお気に入り。
ここ、昼間はカフェで、高校の同級生がウェイターで働いているんだ。
たまに夜、バーテンしてる時もあるけど、今日はいないみたいだな」
「…そうなんですね。
いつも1人で来るんですか?」

「そうだな…。大地はいつも1人だな。
まぁ、帰りは2人になるときもあるけど。
はじめから女性と一緒に来たのはないね」
後ろから声が聞こえた。

振り返ると、バーテンの格好をした木村が、テーブルにビールとカシスオレンジとナッツなどのおつまみを置いた。

「そいつが今話した、同級生の木村飛鳥(キムラ アスカ)。
こっちが後輩の植田左紀」
早紀と木村を互いに紹介した。

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