中距離恋愛
5年前の真相と決断
剛から結婚話を白紙に戻された翌朝6時。

剛との話の末、彼の宿泊するスターホテルの部屋に泊まってしまった私は、彼の腕の中で目が覚めた。
彼を起こさないように、そっとベッドから降りると、身支度を整えて、テーブルに

「先に帰ります。
優勝おめでとう」
と書き置きをして部屋を出た。

そして、タクシーで自分の部屋に帰ってくると、そのままベッドに直行した。
すっと目を閉じると、そのまま眠りに引き込まれた。
…昨日、剛から『結婚は白紙に戻そう』と言われたことが夢だったらいいのに…

次に目が覚めたのは10時半。
頭がボーッとして、すぐにシャワーを浴びる。

身体を念入りに洗い全身を鏡に映すと、無数の赤い印に気付く。
…昨夜、剛に愛された跡…キスマーク
あまりにリアルすぎて、思わず目を逸らす。

そのまま浴室を出て着替える。
…さすがに見える場所にマークはついてないが。

リビングに入ると、左紀がいた。
¨善は急げ¨と、大地さんに5年前の話を聞きたいと伝えると、すぐに木村さん経由で連絡をとってくれた。

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