中距離恋愛
時刻はもうすぐ5時。
そのまま帰るのと思いきや、私の手を引いたまま駅に入って行く剛。

「えっ…と、剛。
どこに行くの?」
私の問いに、
「あぁ。ちょっと休憩」
そう言って、カフェに入って行く。

私はココア、剛はコーヒーを頼むと一息つく。

「夏帆。今日、帰らなくてもいいよな?」
「えっ…?」

突然言われ、意味が分からなくて聞き返すと、

「ホテル取ってあるんだ。
これから年度末の上、引っ越しの準備もあって、なかなか夏帆との時間を取れなくなるから」

このまま帰ると思っていただけに、嬉しい提案に顔がニヤける。
でも…

「大丈夫…だけど…、
泊まりの準備、してないよ」
照れから俯いたまま答えると、
「これから買いに行けば平気だろう?」
そう言われ、
「うん、分かった」
と頷いた。

カフェを出ると、今度は恋人つなぎをして、駅ビルでのショッピングデートを楽しんだ。

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