中距離恋愛
「私が声をかけたのに、やっぱり夏帆しか目に入らないんですね」
左紀が冷やかすように大地さんに言う。
「いや…。そんなことは…なくはないかな」
大地さんは冗談で受け流す。
「…そうそう、植田さん。先にチケット渡しておくね」
そう言って、封筒を左紀に渡した。
「わぁー、ありがとうございます。楽しみにしてます。
夏帆と一緒に、早瀬さんの応援しますから!」
笑顔で答える左紀。
「どういたしまして。
代わりに、これから夏帆を貸してもらえるかな」
「どうぞどうぞ。
さっさと連れて行っていいですよ」
当の私を無視して話が進む。
「夏帆、行こうか」
大地さんが私の手を取り歩きだす。
私は「じゃあね」と左紀に言い、大地さんと歩き出した。

普通に繋いでいた手を、指と指を絡ませ恋人繋ぎに変えた大地さん。
ビックリして思わず彼を見上げると、
「あぁ。これは藤田や、ほかの男子への牽制。
でも、やっぱり傍にいれないとキツイなぁ」
そう言ってくれた。



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