中距離恋愛
小暮さんは、仕事中も私のそばにいることが多くなった。
シフトも一緒が多いのは、小暮さんが私に合わせているかららしい。
たまたま彼と別シフトのときに、バイトの高校生から聞いた。
「夏帆さん、大丈夫ですか?小暮さん、ストーカーになっちゃうんじゃないですか?
夏帆さんのこと好きなのは分かりますが、ちょっと怖いです」
とも言われた。

次に小暮さんと会ったとき、私は自分の思っていることを彼にぶつけてみた。

「ねぇ。
バイトのシフト、私に合わせてくれているって聞いたんだけど本当?」
「うん。
もちろん本当だよ。夏帆と一緒の時間をたくさん作りたいからね」
「…そっか。ありがとね…。
あっ。あと、仕事中に私のそばに来るのも同じ理由なの?」
「もちろんだよ!
なに。夏帆は僕と一緒にいたくないの?」
「……えっとね。
…小暮さんのそばにいたくないわけじゃないよ。
でもね、バイト中は、必要以上にそばにいなくてもいいんじゃない?
仕事はお互い、集中してやろうよ。
ねっ?」
彼が気を悪くしないよう、柔らかく言う。
< 92 / 317 >

この作品をシェア

pagetop